空気遠近法と色の関係

今回の記事では、遠近法についてお話していきます。

色と光の関係についても

理解していただけたらうれしいです。

遠近法とは

遠近法とは、

英語ではパースペクティブ(perspective)と言います。


絵画表現をするときに実際に目で見た時と同じような

空間を、絵画の中に表現する方法論のようなもの

だと思っていただければいいかな。


その中でも

空気遠近法は、大気が持つ性質を利用した遠近法になります。



具体的にどんな事か・・・と言うと。

風景を見たときに、遠くにあるものは青みがかって見え

同時に輪郭線はぼやけて見えるようになります。

この現象を利用して


遠くのものを描くときに、色を少しづつ青みを含ませて色を塗ったり

輪郭も不明瞭にざっくりとした描きかたにして絵に空間を出していきます。



そして、この遠近法

もう一つあります。

色彩遠近法

 

もう一つは色彩遠近法というものです。


これは

前回の記事でも紹介したのですが

 過去の記事は ↓ こちらからご覧いただけます。

【色彩心理】色のプッシュ(後退)とプル(進出)

色彩の持つ進出と後退を利用して

奥行き感を作る方法です。

逆空気遠近法とは

 

私たちが目にする光景は、普通は

空気遠近法に沿って遠景は青みがかって、輪郭線はぼやけて

見えるようになるのが一般的なのですが

 

本当に

ごく、まれな現象なのですが、この逆の現象が自然界では

起きることがあります。

そう、

遠景になるほど明るくなっていくというものです。

これは

早朝や日没の時にまれにみられる現象

自然界ではあまり目にすることがない現象なので

こうした逆の遠近法で絵を描くと

【未知の世界】や

【興奮】といった世界観を表現することができます。


こうした逆の空気遠近法は

ハドソンリバー派と呼ばれる19世紀のアメリカ

の一部の画家たちが好んで描いた描き方になります。

その他にも

この、逆の遠近法を利用してドラマティックな演出の絵を描いている画家が

いますが

その一人にアルフォス・ミュシャという画家がいます。

 

ミュシャは19世紀のはじめごろに

フランス・アメリカで活躍した画家なのですが

デザイン・ポスターが有名です。


しかし、晩年には数多くのの油絵の大作を制作していて

色彩空気遠近法を利用し、ドラマティックな絵をたくさん描いています。

アルフォス・ミュシャ
チェコ音楽会の英雄たち

こちらの画像はフリー画像でお借りしました。

他の作品などはミュシャで検索されてみてください。

ほかにも、たくさんの幻想的な色彩(光)を利用した

ドラマティックな作品がたくさんあります。

逆空気遠近法を使ってぬり絵してみましょう

どうですか?

色によって、絵画はドラマティックな演出ができるのだ

そう、思っていただけたら嬉しいです。


この、逆空気遠近法を利用すると

ごく、普通の見慣れた風景も

なんだか

ドラマチックな風景に変わります。

例えば、

夢のような雰囲気の絵が描きたいな。

そう、思ったら、この逆空気遠近法を利用して

色を塗ってみてください。


こちらは ↓

私が逆空気遠近法を利用して塗ったぬり絵の作品になります。

3枚とも遠景は黄色からオレンジ色を使用していて

近景は青や紫色を使用しているのが

分かると思います。


ぬり絵で利用するポイントは

遠景から塗り始め、近景になるにしたがって

黄色→オレンジ→赤・赤紫→紫→青紫→青

の順番に色を付けていくと

上手く塗れますよ。


まとめ

 

いかがですか?

ぬり絵もまた、違った塗り方をすることで

こんなに雰囲気を変えることができるということが

理解していただけたでしょうか?

こんな図柄には

こんな雰囲気で塗ってみよう。


自分のイメージどうりに絵が塗れたら本当に

楽しいです。

 

この、逆空気遠近法。

ぜひ、挑戦してみてください!

 

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