![女性の横顔](https://i0.wp.com/komagata-k.com/wp-content/uploads/2019/08/8e31a60c4764b0b3905fb052074b8d0e.jpg?resize=560%2C315&ssl=1)
魅力的な絵を作っているのは色彩と線のタッチ
これは、
本に書いてあったわけでもなく、先生から教えてもらったわけでもなく、私の考えなんです。
なので、
そう思わないわ・・・という考えもありだと思うのです。
私が大切にしている絵作りの考えかた
①「魅力的な絵」を作っている第一条件は「色」なので、どの色の絵具を使用するかはとても大切。
②そして、2番目はタッチ「筆圧と線のストローク」です。(ストロークとは、筆圧による線の強弱と長さのこと)です。
③最後は、描く対象(モデル)をみて、それをどのような色と線に変換して画面に乗せるかだと思います。その「変換」の部分が個性なんだと思います。
今回は1番目の色彩について私が絵をつくる上で、心がけていることを紹介したいと思います。
オプティカル・グレーとは
オプティカルとは美術用語で『 視覚的な 』という意味です。
灰色は白と黒色を混ぜると作ることが出来ます。
それ以外の方法でも作ることは可能で、茶色と青と白を混ぜることによってできるグレーと
補色と白を混ぜることによってできるグレーの2つの方法があります。
この作り方でつくったグレーのことを
オプティカル・グレーといって、ほんのすこし色味を感じるグレーになります。
①青系の色と茶色系の色を混ぜて、そこに白を加えるとグレー
![](https://i1.wp.com/komagata-k.com/wp-content/uploads/2019/03/d136c579c00a55ba39916d8b74d6276a.jpg?fit=750%2C466&ssl=1)
②補色同士の混色と白を混ぜるとグレーができます。
![](https://i1.wp.com/komagata-k.com/wp-content/uploads/2019/03/61d3f2db72ac88ff52bf028b01a8a0ee.jpg?fit=750%2C488&ssl=1)
黄色と紫は補色の関係です。
①と②のグレーをオプティカルグレーといいます。
こうしたパレットで絵具を混色してグレーを作る方法もありますが、
キャンバスの上で混色するという方法もあります。
まず最初に、白と黒を混色したグレーを塗っておいて、乾燥してから
その上に茶色を薄く溶いて塗ることによって、グレーにするという方法です。
この場合も「オプティカルグレー」になります。
オプティカル・グレーも
あったかいグレーと
冷たいグレー
の2種類があります。
①のグレーを作るときに青の分量を多くしてグレーをつくれば冷たいグレーになりますし、
茶色を多くしてつくれば、温かいグレーになります。
②のグレーを作るときに寒色の色味の分量を多くしてグレーを作れば冷たいグレーになり、暖色の色味の分量を多くしてグレーをつくれば、温かいグレーになります。
画面に色を塗っていく時には
寒色と暖色のバランスを考えて描くようにしています。
それじゃ
青い空と青い山と茶色の大地は、寒色ばかりだし、青と茶色を画面に交互に乗せると黒に見えて沈んだ暗い絵になってしまうけど
でも、寒色と暖色の色のバランスを考えて塗っていく場合はどうしたらいいんだろう?
そう思いますよね。
私の絵がそうなんです。
男体山・日光連山と田んぼの絵なので、このモチーフは寒色ばかりの絵なので見たままの色で絵にしてしまうと暗くて、つまらないものになってしまうのです。
「杉並木」もそうなんです。
絵をたしなんでいるある方から、私の絵が「杉並木」をモチーフにしたことに対して、
「最初、日光杉並木をモチーフにするのは・・・ちょっとって思ったんだよ」とおっしゃいました。
私の狙いはそこだったので、心の中で「やった」とにんまりしていました。
わざと、モチーフに選ばないようなものをモチーフに選んで、「絵」にすることが狙いだったんです。
寒色ばかりの絵でも、
上記で説明したような、寒色でも、あったかいグレーがあるように、あったかい色を画面の中に「仕込んであげる」ことによって
くすんだ、寂しい感じにならないように工夫をしています。
![](https://i0.wp.com/komagata-k.com/wp-content/uploads/2019/03/1547978821355-2.jpg?resize=345%2C201&ssl=1)
紫色に助けられています。
見た目には分からないけど、紫(赤味)足してます。
そうしないと
「絵」としてくすんだ・濁った感じになってしまいます。
![](https://i2.wp.com/komagata-k.com/wp-content/uploads/2019/03/e576c1ce0b0497455e30e246f36e7374.jpg?fit=580%2C1024&ssl=1)
日光杉並木の絵は、写真では水色に見えますが、グレーですべて描いています。
グレーはグレーでも、白と黒を混色したグレーではなくて、オプティカル・グレー
です。おもに。黄色と紫の補色同士の混色のグレーを用いて描いています。
同じ色でも、寒色と暖色があります
![色のグラデーション](https://i0.wp.com/komagata-k.com/wp-content/uploads/2019/07/1405962.jpg?resize=376%2C281&ssl=1)
「黄色」といっても、たくさんの種類があり、
私はカドミウムイエロー・レモンイエロー・パーマネントイエローの3つを使っています。
その他にも、たくさんの黄色があって、どの黄色を選ぶかがその人らしさを作るのではないかな?・・・と考えています。
![](https://i1.wp.com/komagata-k.com/wp-content/uploads/2019/03/5762349af17e051a1e4f0b1880440ffc.jpg?fit=750%2C388&ssl=1)
![](https://i2.wp.com/komagata-k.com/wp-content/uploads/2019/03/14ed5945d6abd998a48b200d13814b9f.jpg?fit=750%2C326&ssl=1)
杉並木の絵はほとんどこの黄色と紫で描きました。
紫色は暖色の赤と寒色の青を混色して作ってあるので、使いやすい色なのです。
陰にも色を付けないと無機質な機械みたいな風景になるので、影に紫を使用しています。
光は黄色なので、影は補色の紫を持ってくるといいんです。
印象派の画家も、影は紫色を使っています。
まとめ
私が「魅力的な絵」を作るためにしていること
*寒色ばかりの風景でも、暖色を使用して、寒暖のバランスを考えて画面に色を乗せる。
*陰に色を使う。光は黄色。黄色の補色は紫なので、紫味を加えると自然な絵になる
*黄緑も影に使用すると自然な感じになります。
*白と黒を混色したグレーを使用すると、無機質な感じになるので、物がグレーの固有色でないかぎり、オプティカル・グレーを使用する。
何色を使うか、がその人の個性なので私の言ったことが正しいとか、このように描かなくてはならない、というわけではありません。
画家の考え方でさまざまな描き方があるので、ここで紹介した描き方(色の塗り方)は私が制作をしている上での色の考え方を紹介したものになります。
「私はこんな風に描いています。」のご紹介です、参考にして頂けると嬉しく思います。
それから、仕事(絵を描く作業として)このように色を系統立てて考えることは、同じ作業を1から始めないで済むので効率がいいですよ。
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