油彩絵具の乾燥を早める方法

油彩絵具は酸素と結合してゆっくり固まるので、水彩絵の具のようにすぐに絵具が乾きません。

なので

重ねて色を乗せることはことはできず、初心者は画面の上で、いろいろな色を筆で混ぜてしまい、

茶色の濁ったような色にしてしまいがちです。

そこで

私がこうするといいですよ。

私はこんな風にして、乾燥を早めたり、乾燥に時間がかかっても、毎日油彩画を描けるように工夫していますよ。

といったことを紹介します。

地塗りを工夫する

こだわりのある方は、キャンバスを手作りしたり、パネル(板)に膠で作った地塗りをして描いていますが、

私は「μグランド」という市販されている地塗り材を使用しています。

「μ(ミュー)グランド」のサイトはこちら

アクリルジェッソを地塗りにして描いてみたのですが、油分が下の層にあまり吸収されにくく、すぐ画面がテカテカした感じになってしまい、描きにくく感じるのです。(あくまでも私の感想です、きっと人によって描き方はさまざまなので個人がいろんな画材をためしてみる必要があるのだと思います)

μグランドは、油分を結構吸い込むので、吸い込みが多ければ、ニスや蜜蝋を加えて、油分の吸い込みを調節しながら、描き進められるので私には合っているのです。

油分を吸い込むので、2日後には完全に指で触っても絵具が付いてこない状態(指触乾燥といいます)になるので、計画的に作業を進めることができるのです。

ダンマル樹脂を使う

市販されている、ペンティングオイルは、合成樹脂が加えられていて本当にすぐに乾いてしまい、

私のように細い線を描くタイプの書き方には不向きなのかな?と思いました。

すぐに、乾燥するので、豚毛で大胆な筆致で描くタイプの人には合うと思います。

 

私は特殊加工のポピーオイルとダンマル樹脂を合わせたもの(スペシャルルソルバン)を使用しています。


ポピーオイルの代わりにリンシードオイルでも大丈夫です。

その場合、スタンドリンシードオイルのほうが乾燥がより早いです。

この、2つをダンマルワニス2対スタンドリンシード1の割合で混ぜたものを

テレピンでうすめて使ってもOKです。

こちらのほうが経済的ですが私は

手軽な、スペシャルルソルバンを使用しています。

油彩絵具の乾性油(乾くと固まる油)はポピーオイルとリンシード(亜麻仁油)の2種類あり、

どちらでも大丈夫なのですが、ポピーオイルのほうが黄変(黄色に変色)しずらいです。

リンシードはのちに黄変しやすいと言われていますが

そんなに気にしなくても大丈夫だと思いますよ。

 

高校時代から油彩画を描いていますが、今までに黄色に変色してしまった絵はありません。

画溶液はこの、ポピーオイルリンシードオイルの2種類があるのですが、

両方とも空気中の酸素と結合してゆっくり固まるので、そのままでは2週間から1か月はかかってしまいます。

そこで、

ダンマル樹脂を加えます。

ダンマル樹脂はダンマルガムという樹脂の塊で、テレピンにとけて液体状になります

テレピンは空気中に蒸発してしまうので、画面に絵具と一緒に付くとすぐに個体になります。

 

なので、すぐに乾かないポピーオイルやリンシードオイルを補う形となって

絵具が固まる補助の役目をするわけなんです。

 

でも、このダンマル樹脂はテレピンに溶け出す性質があるので、

乾燥したと思ってテレピンでおつゆのような状態で上から絵具を重ねると、

下の絵具な溶け出してしまいますから、ご注意を!

絵をローテーションして描く

もう一つの方法は

絵を3枚、同時進行で描くことで毎日、油彩画の制作をすることができます。

1日目はAの絵を描く⇒2日目はBの絵を描く⇒3日目はCの絵を描く⇒2日前の絵は乾いているのでAの2層目を描く

こんな感じです。

乾燥の早い絵具を使う

亜鉛、コバルト、マンガンが入っている絵具は他の色に比べて乾燥が早いです。

まとめ

油彩絵具は初心者にはなかなか乾燥しなくて扱いになれるまで大変かと思います。

私が最初に油彩画を描いたのは中学3年生の時でしたが水彩絵の具に慣れていたので、

下の層の絵具と混ざってしまい、色が濁ってしまい描きにくい絵具だな~と思っていましたから。

油彩絵具は1層目、2層目・・・と乾燥したら次の層を重ねて塗る。

そういう感じをイメージしていただくと描きやすくなります。

 

 

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