【油絵の具の使い方】用具の使い方をもう一度見直してみませんか

女性の振り向いた顔

油絵を日々マイペースで描いる駒形です。

長年油絵を描いていると、 油絵の用具について

こんな風にしたら使いやすくなるんじゃないかな?

とか

もっと便利な方法があるよね。

と、感じたことが多々、ありました。

長年にわたって油絵を描いてきての、

そんな気持ちを記事にしてみました。

これから絵を描いてみたいなと思う方や、絵を描いている方の参考になればうれしいです。

油絵の具について

油絵の道具の画像

油絵の具って、アルミのチューブに入っていますよね。

丁寧に扱ってあげないと、アルミが破けてしまって大変なことになってしまいます。

特に

初心者の方は絵の具が手や服について大変になったことがあるんじゃないでしょうか?

私も学生時代の時はいろんなところに絵の具がついてしまって大変でした・・・。


油絵を描く=絵の具で汚れるのは当たり前だと思っている方もたくさんいるかと思うのですが、ちょっとの工夫で、

絵の具まみれ・・・

なんて事態を防ぐことができるのです。

絵の具を出すときに、無意識にチューブの真ん中(おなかの部分)を押して出すのは危険です!

そうして絞り出すと

そのままの形になります。

まあ、

あまり気にしない、という方もいらっしゃるかとは思うのですが・・・

その状態で使い続けていくと・・・


アルミのチューブなので、破けてしまいます。

こんなことを防ぐためにも、油絵の具のチューブは、

必ず、一番下の部分を押し出して、絞り出すようにしましょう。


そうすると

最後まで、きれいに使い切ることができますし

それだけでも、チューブが裂けてしまうことは防ぐことができるんです。


ちょっとしたことですが、スムーズに絵を描くためには大切なことだと私は考えていますよ。


こんな商品も販売されています。

絵の具チューブ絞り器

各、画材メーカーさんから販売されています。

ホルベインのチューブ絞り器を参考に画像を掲載してみました。

参考価格は2,200円

ホルベインのチューブ絞り器



それからもう一つ

スムーズに絵を描くためのちょっとしたポイントなのですが

油絵の具は、

時間の経過とともに、蓋の部分の油が固まって、蓋が開かなくなってしまいますよね。

油絵の具って、色によって、乾燥する度合いが違うので、乾燥の早い色の絵の具は、一週間も使わないでいると蓋が開かなくなってしまうんです。

そんなときは、

ペンチを使って、蓋の部分を挟んで蓋と口の部分のくっついた部分をはがしてあげます。

ペンチ画像

そうすると、簡単に蓋を開けることができます。



油絵を描く人はペンチも、用具のひとつとして持っていたほうが便利です。

だけど

ペンチでも蓋が開かないときは

容器の中に50℃くらいのお湯を入れて、キャップを浸しておくと簡単に開くことがあります。

試してみてください。

私はヨーグルトの容器を使っていますよ。

絵の具の蓋が開かないときだけじゃなくて

調合油(ペンチングオイル)の蓋が開かないときも、お湯に浸して開けています。

特に

合成の樹脂が入っているもの(アルキド樹脂)と容器に記載があります。

調合油は、固まりやすいので注意が必要です。

お湯に浸して蓋を開けやすくしている画像



油絵の具って、メーカーによって、キャップの形が様々ですよね。

私は「ホルベイン」の油絵の具をメインに使用しているのですが、ホルベインはのキャップがプラスチックで作られているので、ペンチで力を入れたときに、はがれやすいのすね

そんなことも理由の一つでホルベインの絵の具をメインに使用しています。



マツダスーパーの絵の具のキャップは六角形になっていますが、

マツダスーパー絵の具

マツダ油絵絵具さんのホームページより画像をお借りしました。

マツダスーパー絵の具はキャップが開かなくなった時には、スパナで挟んで回して開けるためにあのようなキャップのデザインになっているそうです。

油絵の具の筆のメンテナンス

筆の画像

筆の洗い方は画家さんによってそれぞれだと思いますが、私はこんな風に洗っていますよ。

豚毛を洗うときは

市販されている筆洗油の中で、できるだけ、筆を縦に動かすようにして(筆を痛めないように)洗います。

そのあと

すぐに、お湯で石鹸をつけて洗っています。

出来れば、お湯で洗ったほうがよく落ちます。

筆は、毛の流れに沿って動かして手の平の上で根本をたたくように洗ったり

根本をつまむように洗って

そうしてから、水気をふき取って、横かつるすようにして乾かしています。

筆の洗い方については

こちら 油絵を描くときの筆の種類と使い分け

のほうでも紹介していますので、よかったらご覧になってみてください。

獣毛の筆を洗うときは

獣毛というのは、天然の動物の毛から作られた筆のことなのですが、

天然の毛は、筆洗油で洗ってはいけないのをご存じでしたか?

実は・・・これを知ったのは私は最近のことなんですよ。

それまでは

値段の高い筆を購入したことがなくて、安い筆ばかり使っていたのです。

いわゆる豚毛ばかり使用していました。

でも、繊細な表現の絵を描くためには、獣毛の毛の筆を使用したほうが良いので現在は獣毛の毛を使用しているのですが


獣毛は筆洗油で洗浄してはいけないと分かったのです。

そこで

インターネットで獣毛の洗浄について調べていたところ

筆洗油ではなくて、ぺトロールで洗うことがいいと分かりました。




・・・なるほど

と思ったと同時に、少し衝撃でした。

そうですよね、デリケートな筆先を維持するためには、そこまでこだわらないとダメなんですね。

その方法は、


俵屋工房さんのホームページに記載されていますのでご紹介させていただきます。

コリンスキーなどのデリケートな筆の洗浄の仕方はこちら

筆の種類もたくさんあります。

どのような筆を使用するかは

どのような画風の絵を描きたいかで変わってきますので、

絵の具を盛り付けるような描き方で描く方は、豚毛が適していますし

繊細な古典絵画技法の画風で描きたい方は獣毛の毛で作られた筆を使います。



獣毛を使用されている方は、

俵屋工房さんのサイトで紹介されているような、ぺトロールでの筆の洗浄をおすすめします。

筆を持ち運びするときは

春の風景画像

筆の持ち運びをするときに筆先に気をつかっていますか?

豚毛の場合は、毛先が折れ曲がったりすることはあまりありませんが、

獣毛の場合は気を使ってあげないと毛先が曲がったり、広がったりしてしまいます。

持ち運びをするときは、購入したときについている透明な、筆先を保護するためのものや、

「巻きす」に丸めて持ち運びしてくださいね。

油絵の具の油壺

レオナルドダヴィンチの洗礼者ヨハネの絵

油壺は、私は瓶の蓋を代用しています。



どうして、ビンの蓋を使用しているかといいますと・・・

手入れが簡単だからです。


はじめは、市販されている油壺を使用していたのですが、大作を描くときに市販の油壷では大きな筆が入らないということもあり

陶器で作られた小皿を使用していました。

だけど

陶器は重たく、割れやすく、

あるとき、陶器の小皿を落として割ってしまったのですね。

それ以来、

油が入って、手入れがしやすいものなら何でも大丈夫なのでは?と思い

ビンの蓋を代用してみたところ、使いやすかったので

油壷は、ビンの蓋を使用しています。

パレットにマスキングテープで固定して使用しています。

ビンの蓋

この油壷なら、使用した後に、洗剤をつけて洗ってあげれば

いつも気持ちよく使用することができます。

参考にしてみてください。

油絵の具のパレット

パレットとアクリル絵の具の画像

パレットは紙のパレットを使用しています。

パレットは紙のパレットの他に木のパレットがありますが、時間の短縮を考えたら、紙やはり紙パレットのほうが便利だと思います。

紙は、パレットが白色なので、

色を調色するときに色味が分かりやすい点も気に入っています。


ただ、

使い捨てなので、多少なりとも節約をしたいなと考えているときには、木のパレットのほうが、長い目でみたときには経済的かな・・・・なんて考えています。

一度購入してしまえば、木のパレットは半永久的に使用できますものね。




ちなみに

紙のパレットは、S・Ⅿ・Ⅼサイズあり、

Ⅿサイズは23・5×35センチで30枚でだいたい500円から600円の価格になります。

油絵の具のナイフ

油絵の刷毛とペンティングナイフの画像

ナイフは2種類あります。

パレットナイフとペンチングナイフの2つです。

パレットナイフは、主にパレットを掃除するときに使用します。

そのほかにも、大量の絵の具を混ぜるときにもしようします。

パレットナイフも、メーカーによって、刃の部分が固くて曲がらないものや、柔らかくて曲がるものがあります。

最近のパレットナイフは柔らかくて絵の具の混色にも使用しやすいので、

私は最近はパレットナイフで混色をしています。


ペンティングナイフは、絵の具を混ぜるための他に、筆の代わりとして絵を描くことにも使用します。

画材店に行くと、たくさんの種類が販売されていますので、自分の画風にあったペンティングナイフを見つけるといいでしょう。

私はホルベインのECOLSE ES2 というペンティングナイフ1つを使用しています。

油絵の具で使用する筆洗油

筆と手を洗っている画像

筆洗油は、筆洗器に入れて使用しますが

筆洗器の底に絵の具がたまってきます。

ずっと、何年も掃除をしないでいると、底の絵の具が固まって大変な事に!

底だけじゃなくて、穴の開いた部分にも絵の具が固まってきます。 

最低でも、年に1回は中の筆洗油を別なビンに開けて、中を掃除しましょう。

「絵画イラスト技法大全」では、詳しい油の処理の仕方について解説されています、こちらを参考になさってみてください。

筆洗器自体も洗剤をつけてきれいに洗ってあげると

ずっと、一生使用することができますので、大切に使ってあげてください。

筆を拭くための布や紙について

絵を描いている画像

油絵を描くときに欠かせないものは、筆の絵の具をぬぐうための紙もしくは布ですよね。

絵を習いたての頃は、新聞紙や漫画雑誌を使用していましたが、これが一番私は使いやすくておすすめです。



布もいいのですが、

初心者の方は(特に中学・高校生を指導してみて)感じたことは、布で絵の具をぬぐっても、油絵の具ってすぐには乾かないので、

何度も布でいろんなものをぬぐっているうちに、手について、服について、いろんなところについて・・・

油絵の具はすぐには乾かないのでひろがっていってしまうのです。

油絵を描くときは汚れてもいい服装でというけれど絵の具がつかないようにするのがいいよね

そんなことも防げるので、

初心者の方や学生さん(中学・高校生)には、新聞紙や紙でできたハンドタオルを勧めています。

紙は使用したら丸めて捨てることができますからね。


ハンドタオルは、ドラックストアなどで、100組98円で購入することができます。

あと、私が使用して便利だと感じたのは、ホームセンターなどで販売されている、紙製のウエスです、ティッシュペーパー

よりも厚みがあり、何度か使用できるし、

大作を描くときに、太い筆や刷毛の絵の具をぬぐうのに便利です。


ホームセンターも画材として使用できるものがあるので、覗いてみるといいですよ。

油絵の具の用具を収納するための入れ物は

コスモスの花の画像

学生時代は、木製の油絵用具入れを使用していましたが、

絵の具の数が増えたため、

現在では、プラスチック製のタッパーを利用しています。

油絵の画材を入れる用具は、使いやすい物を常に考えて工夫して収納しています。

持ち運びするときなどは、絵の具や筆、パレットをリュックサックに入れて運んでいましたよ。

絵画教室に通っていた頃ですね。

筆も、最初の頃は「巻きす」に巻いて運んでいましたが、今は、市販されている筆を収納するケースを使用しています。

種類ごとに分けておくと

使いたいときにさっと筆を出せるので、今はこの方法で収納しています。

まとめ

道具は、目的に合わせて使いやすくしていっていいと思います。

既製品を使わなくても、工夫次第で使える物もあります、

自分の使いやすい道具を見つけたり、作ってしまうのも面白いし、とても使いやすくなります。

オリジナルの画材入れも愛着がわいていいものです。

今回はちょっとした工夫で画材を使いやすくすることについて記事にしてみました。

ぜひ、参考になさってみて下さい。

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