フィキサチーフとは
フィキサチーフって聞きなれない言葉だと思います。
美術系の学校で学んだ方なら知っているのですが
一般の方にはなじみのない言葉だと思います。
フィキサチーフとは、鉛筆やパステルで描いた作品の上に画面を保護
するために吹きかける液体のことを言います。
鉛筆やパステルで描いた作品は
画用紙の上に鉛筆・パステルの粒子が付いているだけの
状態なので
強くこすったり
水蒸気が当たるなどしたときに
はがれてしまうことがあります。
そこで、霧状の定着させるための
糊の成分を噴射して、保護膜を作ってあげるということなのです。
フィキサチーフは、別名で定着液などと
呼んでいます。
フィキサチーフは、缶に入ったものと、液体状のものの2つの種類が
あります。
また、
缶に入ったものにも
鉛筆や木炭専用のものと
パステル専用のものがありますので
画材店で購入するときには
表示を確認して、購入するようにしましょう。
フィキサチーフの種類
20号や30号以上の大きなキャンバスに
鉛筆や木炭で下絵を描きますが
そうした、大きな絵の鉛筆での下絵きを定着させる時に
フィキサチーフを使います。
フィキサチーフはガス缶に入っているので
使用すると、ガスが噴射されますが
そのガスは、人体には良くない成分が含まれています。
ガス缶を使用するときは、室内で使用はしない方がいいでしょう。
屋外にもっていって、定着するようにしましょう。
そうしたときに
室内でも、フィキサチーフを使用できる方法があります。
それは
液体のフィキサチーフで定着させることです。
液体状なので、ガス缶で噴射させなくていいので
ガスを吸い込むことなく、フィキサチーフを画面に定着
させることができるという訳です。
フィキサチーフと画用紙
フィキサチーフは画用紙に使用できるほかに
MDFボードという、木を細かく粉末状にしたものを
糊で板状に固めたものがありますが
そのような板の上に使用することができます。
下の画像は
その、MDFボードに鉛筆で下絵を描いたものになります。
液体フィキサチーフの使い方
鉛筆で下書きが完成したら、定着スプレー(フィキサチーフ)をスプレーしますが、液体状のものも販売されていて、
これですね、これを消毒用エタノールで薄めて、画面に筆で塗布することができます。
アルコールはドラックストアで購入することが出来ます。こんなものです。
スプレー缶で販売されているフィキサチーフの成分表示を見てみると、合成樹脂、エチルアルコール・・・なので
これで、希釈することができるんです。
小さい画面なら、スプレー缶で問題ないのですが、100号の画面2枚分はこの方法で鉛筆を定着させます。
液体フィキサチーフの使い方手順
まず、あらかじめ、軽くフィキサチーフスプレーで軽く、定着させておきます。
そしてから
いらない容器に液体のフィキサチーフと消毒用エタノールを1対2くらいの割合で混ぜます。
刷毛を使って画面に塗っていきます。MDFボードは紙と同じなので、塗った瞬間から液体を吸収して、筆でこすっても、鉛筆の粉がよれたりせずに、ピッタリと画面に定着させることができます。
ポイントはあらかじめ、最初に軽くフィキサチーフをかけておいて、そうしてから筆で塗ります。最初から筆で塗ると鉛筆で濃く描いたところは色が取れてしまいます。
ちなみに、瓶の蓋が開かなくなって困ったときは
ヨーグルトの空き容器にお湯(指を入れられるくらいの温度)にさかさまにして10分くらいおくと、簡単に蓋が開きます。
パネルに鉛筆で下書きをしたときも同じように、液体のフィキサチーフで定着させることができますので、参考にしてください。
まとめ
※フィキサチーフとは、鉛筆・木炭・パステルを画用紙の上に定着させて
画面を保護する成分を吹き付ける溶剤のことを言います。
※缶に入っていますが
種類は鉛筆・木炭用とパステル用の2つの種類に分かれています
※缶に入っているものの他に液体状で販売されているフィキサチーフもあります。
※液体状のものは、有害なガスの成分を吸い込まなくても、作品に使用できるので
室内で使用しても安心。
※缶に入ったフィキサチーフは必ず、換気の良い場所で使用する。
※液体フィキサチーフは消毒用エタノールで希釈して、刷毛で画面に塗ることができます。
(初めに軽く、スプレーを使用してから液体を塗布します)
紙、パルプ状のものなら、スプレーをかけなくても、最初から刷毛で塗布しても大丈夫です。