思わず息をのんだ1枚の「絵」
こんにちは。
今回、このテーマでブログを書こうと思ったのは
こちら ↓ の書籍との出会いがあったからでもあります。
表紙を見ただけで
なんかすごいって思ったのは私だけではないはず。
本の帯には「わずか6歳で・・・の文字が。
それより、私は表紙の「絵」に息をのんでしまいましたよ。
配色はもとより、その発想性に驚かされました!!
そして「お絵かき」と「算数」には共通点があった!の文字
それにも
やっぱりね・・・。
時々私は、デッサンをやると算数が得意になるんですよ。
と親御さんにお話することがあるのですが
ここに同じようなことが書いてあって、私だけがそう思っているんじゃないんだな
という事が嬉しかったんです。
アート思考とは
この本のタイトルにある「アート思考」って何だと思いますか?
なんとなく
文字からこんな感じのことかな?というのが分かるけれど
ちゃんと調べなかったので
今回、ウキペディアで調べてみました
以下、引用になります。
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アート思考(アートしこう、英: Art thinking)とは、アーティストが持つ創造性に着目し、
アーティストがアートを生み出す過程で用いる特有の認知的活動を指す言葉である。
創造性とは、持って生まれた特別な資質ではなく、日常における習慣から生み出されるものである。
そのプロセスは、イノベーションの源、イノベーションの行為、イノベーションの成就の
3つのプロセスから構成されている。
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という事だそうです。
この文章を読んでもらうと分かると思うのですが
美術って
結果を求めて学ぶことじゃないんですよね。
これを学んで将来、具体的な職業として役立てる
という事ではなくて
過程
いわゆる
プロセスの思考力を鍛える
これが、美術教育の目的なんですよね・・・。
私は美術教師を長いこと(昔ですが)やってきたのですが
生徒たちは、これは将来役にたつ
将来役にたたない・・・。
そう
判断して
役にたたないものは勉強したって、無駄
そう考えてやらなくなっていくのを見ていて感じました。
(合理主義でとても近視的な考え方だと私は思いますが)
美術って
大学受験にも
ましてや、将来「画家」にはなりませんよね・・・。
だから、普通教科より重要視されていなくて。
美術教師としては、いつもかたみの狭い思いを感じていたことを
思い出しました。
さて、話を戻しまして!☺
アート思考という言葉がいろんな場面で見かけるようになった昨今ですが
本の作者である「池澤 摩耶」さんは
本の中でこんなことも言っています。
以下、引用になります。
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そして、日本の教育にもっとアート思考やリベラルアーツ精神を取り入れることが
できるのなら
これからの正解がない世界を生き抜く力になるかもと思っているからです。
その力をつけるために最適なのが手軽におうちでできる
お絵かきだと思います。
引用終わり
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その他にも、「お絵かき」がもたらす教育的効果について
書かれています。
リベラルアーツとは
先ほど出てきた言葉「リベラルアーツ」とは
どうゆう事なのか?についても調べてみました。
以下、ネットで検索して東京工業大学の上田紀行教授先生の言葉を
引用しますね。
以下、引用
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「答えがない問題にどう対処するか」
また誰もが「正解を求めてしまう」のも大きな問題になっています。
皆さんは小学校からずっと「正解」を求める勉強をしてきたと思います。
だから物事には正解があって、それを答えられれば優秀だと思い込んでいる人が多いでしょう。
しかしこの社会で起こっていることは、一つの正解を見いだすことが難しい問題ばかりです。
グローバル社会の中での国際紛争は、民族も宗教も違う人たちが・・・・・・・・・・・
中略
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
日本の中でさえ、生まれや立場の違う人たちは、まったく違った意見を持っています。
一つの家庭の中でも、お父さんとお母さん、兄弟姉妹で考え方は違います。
その中で「正解を見つける」ことよりも、ものの考え方・感じ方が違う人たちの中で、
いかにほかの人たちの立場を理解し、他人の主張を聞き、自分の主張も述べ、調停し、
共存していけるのかが問われているのです。
中略
多様な見方ができるとは、「他の人の言っていることを鵜呑みにしない」ということでもあります。
どんな偉い人が言ったことでも、必ずしも正しくないかもしれない。
ある時代のある場所では正しくても、ほかのところでは通用しないかもしれない。
だからそれをすぐに信じてしまうのではなく、
自分の頭で考え、自分のハートで感じ、自主的に判断し行動することが求められています。
もちろんそうやって自分で判断するためには、たくさんのことを知っておかなければなりません。
引用終わり
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どうでしょう・
私はこれ
美術の教育の目的そのものだよって思うんです。
池澤摩耶さんも
本の中で、結果が出た日にケーキを買って
お祝い・ねぎらうのではなくて
何でもない日のがんばった過程・プロセスにケーキを買って
お祝い・ねぎらいましょうと言っています。
だから
タイトルが「ひとつのケーキ」と「アート思考」というタイトルなのですね。
さらに
こんなことも、述べています。
「お絵かき」とビジネスは似ている・・・と。
それで私は
ある言葉を思い出したんです。
それは
「アントレプレナーシップ教育」
なんだか、舌を噛みそうで覚えにくい言葉ですが
これ、何のことかって言うと
「起業家精神」の事なのだそうです。
日本の文部科学省も、日本はこの「アントレプレナーシップ教育」が
諸外国に比べて格段に劣っていることを
指摘していて
昨今では、この「アントレプレナーシップ教育」に力を入れていく
方針なんだとか。
日本で起業する数が少ない理由なんかも調査しています。
日本のこれからの教育
今までは
与えらえた課題を自ら考えて解決する能力を育てる
が日本の教育方針でしたが
これからは
「アート思考」
0から1を生み出す能力を高めることが重要視されること
そんなことが分かりました。
今回
たった1冊の本の出会いからでしたが
美術教育について改めて、考えたり、調べたりできたこと
は、自分にとっても
良い、勉強になりました。
私が教師をしていたのは10年以上前で
本当に昔になってしまいました。
あれから、いろんな社会変化が起こり、美術に対しての
見かた。考え方が大きく変わったな~と感じています。
私がちょうど、娘を生んだ頃平成11年から12年に文科省から
芸術の科目そのものをなくすという動きがあり、
芸術科の先生方が、大騒ぎしたのを覚えています。
結局、芸術の科目はなくならなかったのですが・・・。
ただ、
こうして
夜の中が「アート思考」とか「リベラルアーツ」とか
が注目されたり
池澤摩耶さんやその娘さんSayaちゃんが
注目を浴びることで
美術の教育的な役割がたくさんの方の元に届くことは
嬉しいことだし
よかったな・・・と安堵しています。
まとめ
今回は、
私が、これから令和という新しい時代を
生きる子たちはどんな力が求められれているのか?について
調べて、まとめた記事となりました。
私の見解とか、こうしたほうがいいよっていうアドバイス
ではなくて
美術教育の備忘録として
参考に読んで頂けたら嬉しいです。