はじめに
私が「美術館」に初めて絵を見に行ったのは高校2年生の時でした。
学校の美術の授業で、「美術館」という存在は知っていましたが、どこにあるのか、はたして自分の住んでいる場所にあるのかな?
それくらい「美術館」って身近な存在ではなかったのです。
だから
「美術館」に足を運ぶって、美術に興味・関心のない方はもしかすると大人になっても一度も行ったことがない人もいるかもしれませんね。
「絵」に少しは興味があるんだけど・・・。
でも、「美術館」って、なんだか気軽に入れなくって。一緒に行く友人もいないしね。
そう思っているのではないでしょうか。
一言で「美術館」といってもさまざまなジャンルの絵を展示している美術館があるんですよ。
小さな子供を持つ方も子供と一緒に楽しめる美術館もありますよ。
これをきっかけに一度「美術館」へ足を運んでみてはいかがでしょうか。
美術館に行く前にどんな美術館があるのか調べてみましょう
東京ではたくさんの美術館、そしてさまざまなジャンルの美術展覧会が開催されています。
日帰りで見に行くことができるなら、やっぱり東京の上野にある美術館や国立新美術館での美術展覧会を見に行きたいところです。
だけど
東京まで、足を運ばなくても地元でも素敵な美術館はたくさんあります。
インターネットで簡単に全国で開催されている美術展覧会を調べることができるので、調べてみましょう。
そして
美術展のパンフレットや案内状が、図書館や公共の施設、画材店などに置いてありますから、行った時にチエックしてみましょう。
美術館に行く時に気を付けたいことは?
美術館って建物が高級ホテルみたいで、なんだか非日常の空間なので、おめかしをして行きたくなってしまいますが、
履きなれていない靴やハイヒール、サンダルでは行かないようにしましょう。
実は、私の失敗からのアドバイスなんですが
履きなれていない靴で行ったら、途中で足が痛くなってしまって、絵をゆっくりと楽しむ状態ではなくなってしまったんですね。
それから、夏には足先が出たサンダルのような靴(足の甲の部分がメッシュ状に穴が開いたデザインの靴)を履いて行ったことがあるのですが、
その時も、ずっと立っているので
体重が足の甲の部分にかかるので、サンダルの紐の部分が足の甲に食い込んでつらかった経験があるのです。
なので
美術鑑賞には、足元は履きなれたローファーの靴かスニーカーをおすすめします。
夏場は、外は暑くても美術館の中はクーラーで寒かった・・・。
なんてことがあるので、体温調節ができる服装で行った方がいいですよ。
手荷物はコインロッカーに預けて、手ぶらで鑑賞しましょう
手荷物をもって、展覧会場を見て回るのと、そうでないのとでは全く疲れる度合いが違います。
手ぶらだと絵を見ることに集中することができます。
コインロッカーは、どの美術館でもあるので、まず手荷物をコインロッカーに預けてから、絵を見に行きましょう。
絵を見終わると、出口付近ではミュージアムショップでオリジナルグッズの販売をしている場所があります
もし、そこでグッズなどの商品を購入したいなと思う場合は、財布は自分で持って見て回るといいでしょう。
混雑している日と時間帯を調べてから見に行くといいですよ
東京での美術展覧会に行くと、テレビや美術の雑誌などで紹介されているものは入口で何時間も待たなくては入れない
なんてことがよくあります。
そこで、前もってチケットを購入してから行く。
初日と最終日を避けて見に行く
時間帯はお昼の時間と、夕方以降が比較的に空いているので、そうした時間を狙って見に行くのがおすすめです。
地元の美術館での展覧会はそんなことはないので、いつ見に行ってもゆったりと絵を鑑賞することができますが、
テレビなどで宣伝されている展覧会は混雑することを想定して、できるだけ空いている時間帯に見に行くといいですよ。
イヤホンガイドは使ったほうがいいのかな?
じつは、私はイヤホンガイドはまだ一度も使ったことがないんです。
それは、
私が絵を自由に見たいから
というだけの理由からなんですが。
でも
本当は、イヤホンガイドを借りて、最初の絵からじっくりと説明を聞きながら見ると、よりいっそう理解が深まって、
自分では発想しなかった発見があるので、できれば借りて鑑賞できるといいと思います。
やっぱり、人気の美術展では、人がたくさん見に来ていて、
どの絵の前もたくさんの人が取り囲むようにして見ているので、イヤホンガイドの説明を聞きながら絵を鑑賞しようという余裕がないのです。
画家のことや、描かれている時代背景から絵の意味まで解説してもらえるので
今度は借りてみようと思っています。
絵の見方ってあるのかな?
よく、学校なんかで「美術」には答えがないんだから、自由に見ていいんだよ。
そんな風に教えてもらったのではないでしょうか?
私もそう、思うんですが
ずっと、美術を教える仕事をしてきていて感じたことは、子供だけじゃなくて、学校の先生という人達も
美術って、よく分からない
そう思っている人って多いんだな、と感じました。
「私、絵はよく分からないから」
「私、絵心ないから」
そういう方にも出会うことがあります。
きっと、「絵」を見ても、感動も気持ちの変化も起きないのでそんな風に言うのかな?と思うのです。
きっと、「絵」が分かる人って、「絵」を見ると、心の中にすごい感情の波が押し寄せてきて、感動するんだろう、そう思っているのだと思うのです。
「美術」「絵」を鑑賞するってどうゆうこと?
正直にいうと
私も、中学や高校の美術の教科書に載っている「名画」を見て、「何か突然感動した」とか「素晴らしくて涙がこぼれた」なんてことは全くなくて、
「なんでこの絵が良い絵なんだろう?」
そう思っていました。
綺麗な花や風景
写真のように描かれた、綺麗な色づかいの絵は
きれいだな~、すてき。そう思うのだけど、雑に絵具が塗られた絵や、現代美術と呼ばれるものは
正直、何がいいのか全く分かりませんでした。
西洋の絵画でも、17世紀頃までの絵画はキリスト教を題材としたものが多くて、意味がわかりませんでした。
意味が分かるようになって、だんだんと面白くなったのは、大学に入って、西洋美術史などを勉強したり、自分で実際に絵を描いてみたからなんですよ。
やはり、
ある程度は美術に関した知識が必要なのは仕方ありません。
でも
まったく、美術の知識がなくても「絵」を楽しむことはできるんですよ。
自分の「なんだか分からないけど、これが好き」という感覚を大切にして
たくさんの絵を見ていけば
「好き」からその絵を描いた画家に興味が出てきて
調べてみたり、
描かれた時代背景について調べてみたり
そうすることによって、新しい発見や気付きがあって、「分かった」「面白い」そう思うことが増えてくるんです。
「絵」を描いている人は、画材や技法について興味があるので
絵画鑑賞を通して絵の技法について調べていくと、新な発見から面白く感じるようになるかもしれませんよ。
絵は順番どうりに見なくちゃいけないのかな?
そんなことはないです。
私は一通り、会場をざっとみてから、じっくりと見たい場所に戻ってみることが多いのです。
会場内が広いと、最初のころは疲れていないので、じっくりと見ることができますが、最後の頃になると、たくさんの絵を見たことによっての疲れと
立っていることで、疲れてしまって
最後の方は流して見てしまうからなんです。
途中に休憩する場所がありますが、混雑していると、座れなかったりするので、まず、最初の元気な状態でお目当ての絵を見に行ってしまうのです。
小さい子供がいると美術館は入れない?
5歳くらいまでは、親と一緒に絵画鑑賞は難しいかな・・・。
私の場合、
子供を美術館に連れて行って鑑賞したのは5歳くらいからだったと思うのです、
記憶があいまいなくらい子供を連れて(美術館といってもたくさんあるんですよ)
行っていたので。
日光の小杉放菴記念美術館で絵本の原画展にいった時の記憶では、その時に妹と、妹の子供と一緒に見に行ったのですが
その時「美術館ではお話ししないんだよ」と妹の子供に言っていたことを覚えているんですよね。
妹の子供と、私の子供は同じ年です。当時、小学1年生と記憶しています。
小学1年生であれば「美術館では走り回らない」「おしゃべりしない」「絵を触ってはいけないよ」の約束を守ることが出来て
親子で絵を楽しむことが出来ると思います。
美術館では小学生対象のワークショップやイベントが開催されていて、親子で楽しむことができます。
地元の美術館では、 美術館の敷地にアトリエがあり、
休日や夏休みに、そのアトリエで子供とキャンドルスタンドを制作したことがあります。
流木をのこぎりで切って、ろうそくを立てることが出来る作品でした。
また、ディックブルーナーの絵本原画展のときも、小学生を対象にしたワークショップに参加したことがあります。
美術館といっても、本当にさまざまで
那須にある、「那須とりっくあーとぴあ」のような、体験型(絵に触れて、写真に撮ってもいい)の美術館もあります。
それから、
三鷹の森ジブリ美術館も子供と楽しめる美術館です。
子供が小学生までは、そういった美術館で楽しんでいました。
お子さんと美術館を楽しむときは、
体験して参加のできる美術館やワークショップに参加してみるのもおすすめです。
美術館のレストランやショップも楽しめます
美術館は一人でじっくりと絵を楽しむのもいいものですが、
友人・知人と行って、絵の感想を語り合うのもおすすめです。
この、楽しさを知ったのは、自分では発想もしなかった絵に対する感想が得られると分かってからでした。
絵には答えがないし、見た人の数だけ答えがある。
そんな風に聞くことがありますが、まさにそのとおりなんだなぁと思いました。
答えがないので、自分で感じたことが答えでもないし、友人の感じ方が答えでもないし
だけど、そうしたことから
こんなにも他者と自分の物事の受け止め方が違うんだ、ということを知ることができたし
人によって認識・受け止め方・解釈の仕方はその人それぞれで
それによって、「その人」のことを理解することにも通じるのではないかな、と思ったからなんです。
そうして
友人・知人と絵を見てまわった後はレストランでの食事もまた、楽しむことが出来ます。
美術館では、オリジナルのグッズを販売していて、そういった商品をみたり、購入したりするのも楽しいです。
自宅に帰ってからも美術館は楽しめますよ
上の画像は、上野動物園で買った「象さんのうんちで作られたノート」です。
上野の美術館に行った時に購入しました。7年前ですね。(現在2019年)
この、ノートの中に、今まで行った美術展覧会のチケットを貼り付けています。
たくさん、行くと、あれ?あの時に行った美術展て、どんな絵があったっけ?とかいつ、あの美術展覧会に行ったんだけ?
ということがあり、
こうして、ノートにチケットと貼り付けています。
美術展では図録といって、画集のような本も売られていますが、毎回購入できないので、本当に好きな画家の図録のみ購入するようにしています。
こうして記録しておくと、ちょっとした達成感が味わえるし、後から読み返して楽しいですよ。
それから、私はよく気に入った絵のハガキを買ったりしています。
まとめ
*美術館に目を向けて、気軽に絵を見に行って見ましょう
*美術館に絵を見に行く時は、履きなれた靴かスニーカーで行くことをお勧めします。
*手荷物はコインロッカーに預けると、手ぶらで鑑賞することができて絵をみることに集中できておすすめです。
*美術館に行く時は前もってチケットを購入する。
混んでいる日と時間帯をさけていくとスムーズに鑑賞することができます。
*絵の見方の決まりはありません。
「私はこれが好き」の感覚を大切にして、たくさんの絵を見ていくうちに、画家に興味が湧いてきたら画家について調べたり、時代背景について調べたりするうちに、新しい絵に関する情報が得られて「分かった」「面白い」と感じるようになっていきます。
*美術館もいろんな展示をしているものがあるので、小さなお子さんと一緒に楽しむことができます。
ワークショップやイベントに参加してみると楽しいです。
*友人・知人と一緒に絵を見て、感想を語り合うことで、自分の感想とは違った見方を得ることが出来て、友人と美術館にいくことも楽しいですよ。
*美術館には、レストランとミュージーアムショップがあり、食事やオリジナルグッズの購入もできます。
*展覧会の図録(画集のようなもの)やパンフレット・チケットを取っておいて
あとから見直すのもおすすめです。