金箔の貼り方の詳しい説明
専門的な道具を用意しなくても金箔を画面に貼る方法を紹介します。
私のやり方になります。
技法書などでは箔切りの板を用意したり箔ナイフを用意と書いてありますが、それらを購入しなくてはならないとなると、金箔を貼るのはできないとあきらめちゃう人がいるんじゃないかと思うのです。
でも、趣味で油彩画を描いていらっしゃる方で、ちょっとだけ画面の一部分に金箔を貼ってみたいな、と思う方はいると思うので、自宅にあるもので簡単に金箔を貼る方法をご紹介したいと思います。
金箔を貼る時の材料(用意するもの)
*脱脂綿・・・金箔を貼るときに、画面に密着させるために使用します。
*障子紙・・・金箔を挟んで保管するために使用します。ホームセンターで販売している普通の障子紙です。
*クイックドライングメデイウム・・・金箔を貼り付ける糊の役割。
*クイックドライングメデイウムを入れる容器(瓶の蓋で代用してます)
*ヴァセリン・・・ドラックストアで販売されているものです。
*ハサミ・鉛筆・筆・定規
*金箔
金箔を貼る時の作業工程
上に載っている、厚紙を利用して、
金箔を挟んで保管しておくための紙を作ります。
金箔の大きさより、一回り大きく二つ折りにした障子紙を切り取ります。
こんな風に、金箔を挟んで保管しておけるように障子紙を切って用意しておきます。
そして、次は金箔を障子紙に移すための紙を用意します。
金箔より一回り大きいサイズに障子紙を切り取ります。
金箔が包んであった時の、上に乗っていた厚紙を利用して鉛筆で線をひいてハサミで切り取ります。
こんな感じに障子紙が切り取れました。
ここに、金箔を移します。
金箔の上には、薄い紙が乗っているので、それを角の部分に筆を差し込んで、薄い紙だけ取ります。
あまりに薄いので、手の指で挟んで取ろうとしても無理があります、筆の穂先で、薄紙をずらすようにして、そうしてから、指で挟んで取り除きます。
かなり金箔は薄くて、少しの風でもよれてしまうので注意が必要です。
上に乗っていた薄い紙を取ることができました。
そうしたら、ヴァセリンを自分の手の平に薄ーく伸ばして、
障子紙のつるつるした面にこすりつけていきます。
少なすぎると金箔が張り付かないし、多すぎてもべたべたしてしまうし、う~ん表現が難しいのですが、自分でハンドクリームをつけるくらいでしょうか?
ヴァセリンを塗ったほうを金箔に付けるようにして、障子紙を乗せます。
はがすと、こんな風に金箔を障子紙に付けることができます。
そうすると、使いたい分だけ(画面に貼りたい分だけ)金箔をハサミで切ることができます。
でも、ヴァセリンの量が足りないと、こんな風にハサミで切ろうとすると金箔がくしゃくしゃに・・・・
使わない金箔は最初に作った障子紙に挟んで保管しておきます。
貼り付けたい画面にクイックドライングメデイウムを筆で塗り、障子紙に移した金箔を貼り付けます。
上から脱脂綿で軽く、ぽんぽんと抑えて、
1時間くらいたったら、筆で余分な金箔を払うと完成です。
余分の金箔は捨てないで、砂子として使用することができます。
できました。
金箔はほんとうに薄いので、最初は扱いが難しく感じると思いますが、数回やってみると簡単にできるようになります。
だれでも簡単にできるので、油絵の部分的に金箔を貼り付けてみたい時に試してみてください。
まとめ
実際の作業工程を動画にしましたので
参考にしてみてください。
動画の中では、箔をつける糊としてジャパンサイズゴールドを使用しています。
箔は、糊となるものならなんでもくっつきます。
紙の上に箔を付けたい場合には
アクリルのメディウムである、グロスポリマーメディウムでも
同様に付けることができます。
紙に付ける時には、金箔を付ける前に
黄色の絵の具で着彩をして
その上にゴールドの絵の具を重ねて、その上に金箔を貼り付けるように
して下さい。
万が一、箔がはがれた時に、紙の白い色が出てしまいます。
金色の絵の具で塗ってあれば、箔がはがれても
目立たず、安心です。
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